現実

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猛が病室に運ばれてから2時間が過ぎようとしていた。 その間、主治医である木下は病室を出入りしていたものの・・・ 兵頭、咲、ミナの3人はその場を動かず、ただ猛が目を覚ますのを待ち詫びていた。 咲:「リョウさん、ミナさん・・・ 後は私見てますから、休んで下さい」 ミナ:「ううん・・・ 私は大丈夫。 猛君が頑張ってるんやもん。 私にできる事は、ここで猛君の無事を祈る事だけやから・・・」 咲:「ミナさん・・・ ありがとう」 兵頭:「俺の事は気にせんといてくれ」 咲:「リョウさん・・・」 そんな二人を見て、咲は猛に語りかけた。 咲:「お兄ちゃん・・・・ ホンマ、お兄ちゃんは周りの人に恵まれてるな?」 その言葉を聞いた兵頭が咲に向けて口を開いた。 兵頭:「咲ちゃん? 猛は決して周りに恵まれてるんやない・・・ 猛という人間に魅せられてみんな集まってくるんや それが猛の才能なんや・・ マネしたくても、できる事やないねん・・」 猛の事を熱く語る兵頭を見て、咲は心から猛の事を羨ましく思った。
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