現実

91/120
前へ
/780ページ
次へ
病室に光が挿してきた・・ 夜が明けようとしていた。 咲:「もう朝やね・・」 ミナ:「うん」 兵頭:「俺は親方も猛もおらんし、会社の皆に説明に行くわ・・ さすがに猛の事は、隠し通せる話やないしな? 会社の近所で事件起きてるから、多分みんな・・」 咲:「うん。リョウさん宜しくお願いします。 お兄ちゃんの事は心配しないで・・ 私とミナさんで責任持って見てるから」 兵頭:「ああ。 自分らも交代で休憩せな、身体もたんぞ?」 咲:「うん。ありがとう」 ごく当たり前の会話を交わして、兵頭は病室を後にした。 一度、家に戻りホノカにいきさつを説明し、シャワーだけ浴びて会社へ向かった。 眠気が襲う間もなく、猛に対する不安が襲ってくる。 (無事でいてくれ・・・) 何もしてやれないが、せめて猛が復帰しても、気楽に会社へ来れる雰囲気だけは作っててやりたい・・・ そんなポジティブな事を考える事で、自分の気分を落ち着かせていた。
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3402人が本棚に入れています
本棚に追加