現実

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会社へ到着し、いつもとは違う方向へ・・ 事務所へと歩を進めた。 事務所で一礼し、入室した。 事務員:「リョウくん、おはよう」 そう声を掛けてきたのは、ベテラン事務員の小川であった。 兵頭:「小川さんおはようございます」 小川:「今日まだ専務来てないのよね」 兵頭:「分かってます・・ 昨日、事件に巻き込まれてしもて専務は今入院してるんです」 小川:「え!? 猛君が??」 思わず下の名前で呼んでしまった。それだけ驚いたのだろう。 兵頭:「ええ・・・ 詳しい話は後でします。 今は会社を回す事が先決やと思って・・」 小川:「・・・うん、そうやね」 未だ状況を理解出来ずにいる小川であったが、冷静に言葉を並べる兵頭相手に、否応にも取り乱せずにいたのだった。 兵頭:「営業は小休止できるとして、今動いてる現場は止めれないと思います・・ どう指示していくのか・・ 専務がどない動きしてたのか・・ 俺には分かりません。 小川さんならって思って・・」 小川:「それなら大丈夫・・ そこらの管理は事務でやってたし・・ 決算関係だけはこっちでは扱えないけど・・」 兵頭:「そこはこちらで何とかします」小川:「分かったわ。 任せておいて・・」 心強い返答を貰うと同時に、事務所の電話が鳴り響いた・・ その電話に対応した、小川の顔色が変わった。 動揺を隠せない対応をし、兵頭の方へ目線を移したのであった。
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