現実

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小川:「リョウくん・・」 兵頭:「誰からですか?」 小川:「うん・・・ 病院から・・・・」 兵頭:「え!? 猛の身に何かあったんですか?」 つま先から頭のテッペンにかけて電気が走った。 まさか・・・ もしかして・・・ ネガティブに考えたらあかん・・ 絶対、猛は復活するんや・・ そう思いながらも不安を払拭出来ず、冷や汗が流れてきた。 小川:「リョウ君名指しでね・・ 木下さんって人からなんやけど・・・」 兵頭:「代わります・・」 電話を代わった兵頭は、冷静を装い受話器を握った。 兵頭:「木下先生、どないしました?」 木下:「兵頭君か? 良かった・・ 病室に居らんから、もしかしてと思って・・ 会社に居てくれて良かった」 早口で言葉を並べた木下であったが、その言葉から【焦り】が感じ取れた・・ それは、兵頭の心理に【不安】を大きく刻んだ。 兵頭:「先生・・・ 猛に何かあったんですか?」 木下が敢えてこちらに連絡をする辺りに嫌な予感というモノが現実としてこちらに襲い掛かってきているような感覚に陥っていた。
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