現実

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色んなわだかまりが交差しながらも、兵頭は受話器を置いた。 小川:「何か・・あった?」 小川は普段とは別人の雰囲気を持つ兵頭に恐々話しかけた。 兵頭:「小川さん・・ 後で説明しますから・・ 会社の事お願いしてもええですか? それと、マサカズが来たら俺の携帯に電話するように言うといて下さい」 小川:「分かった・・ 後の事は任せて。 児玉君にも伝えとくから・・」 兵頭:「助かります」 兵頭は小川に背を向けると扉を閉じ、車に飛び乗った。 車のハンドルを握り、一人の空間に支配された瞬間・・ 納得出来ない気持ち・・ 溜まり溜まった感情が爆発した。 兵頭:「何でこんな事になるんや!! 親方っ!! 猛は頑張ってるんや・・ 頼むから親方も頑張ってくれ!!」 心の内にしまいこみ感情を抑える事なんか今の兵頭には到底出来る事ではなかった。
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