3402人が本棚に入れています
本棚に追加
一方、咲とミナは、あれからずっと二人で猛の側にいた。
昼を超え、体力的にも限界を感じる時間帯ではあったものの、未だ意識の戻らぬ猛を待ち続けていた。
まさか、同じ病院で親方があんな事になってしまったとは夢にも思わず、ただ猛の事で頭が一杯であった。
夕方になり、虚ろな目をシバシバしながら、ミナは椅子に腰を掛けていた。
そんな状況の中、病室の扉が開き、部屋へ入ってきたのは、兵頭であった。
ミナ:「リョウさん・・・」
ミナは兵頭の姿を見て、違和感を感じていた。
朝会っていたはずの兵頭とは別人に感じた。
目の周りが腫れ、疲れ切った表情をしていた。
兵頭:「猛どないや?」
ミナ:「うん。
あれから、目は開けてへんの
それより、リョウさん何かあった?」
兵頭:「ミナちゃん、咲ちゃん・・
猛がこんな状況の時に、こんな事を言いたないんやけど・・」
ミナ:「ん?」
咲:「どんな事??」
兵頭:「親方が・・・
亡くなった・・」
ミナ:「!!!!!」
咲:「・・・えっっ??」
二人の視線が強くなり、兵頭を突き刺した。
兵頭は俯いたまま、目線を合わせる事が出来なかった。
数時間・・
一人で思い出に耽っていた。
頭の中で少しづつ現実を整理していた。
何の整理も出来なかったが、親方に誓った言葉・・
猛の事が頭を過ぎった。
最初のコメントを投稿しよう!