現実

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一方、咲とミナは、あれからずっと二人で猛の側にいた。 昼を超え、体力的にも限界を感じる時間帯ではあったものの、未だ意識の戻らぬ猛を待ち続けていた。 まさか、同じ病院で親方があんな事になってしまったとは夢にも思わず、ただ猛の事で頭が一杯であった。 夕方になり、虚ろな目をシバシバしながら、ミナは椅子に腰を掛けていた。 そんな状況の中、病室の扉が開き、部屋へ入ってきたのは、兵頭であった。 ミナ:「リョウさん・・・」 ミナは兵頭の姿を見て、違和感を感じていた。 朝会っていたはずの兵頭とは別人に感じた。 目の周りが腫れ、疲れ切った表情をしていた。 兵頭:「猛どないや?」 ミナ:「うん。 あれから、目は開けてへんの それより、リョウさん何かあった?」 兵頭:「ミナちゃん、咲ちゃん・・  猛がこんな状況の時に、こんな事を言いたないんやけど・・」 ミナ:「ん?」 咲:「どんな事??」 兵頭:「親方が・・・ 亡くなった・・」 ミナ:「!!!!!」 咲:「・・・えっっ??」 二人の視線が強くなり、兵頭を突き刺した。 兵頭は俯いたまま、目線を合わせる事が出来なかった。 数時間・・ 一人で思い出に耽っていた。 頭の中で少しづつ現実を整理していた。 何の整理も出来なかったが、親方に誓った言葉・・ 猛の事が頭を過ぎった。
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