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咲は両手で口元を押さえながら、首を左右に振った。
咲:「リョウさん・・何でなん?
親方が・・・そんな・・・」
兵頭の言葉は理解していたものの、その現実を頭に残す事が出来なかった。
ミナもまた、衝撃的事実に言葉を失っていた。
そんな二人を雰囲気で感じ取り、兵頭は顔を上げた。
兵頭:「昨日の夜から容態が悪化したんやて・・
助ける事ができんかったて・・
先生も苦しんでたわ」
咲:「親方・・ウッウッウッ」
咲はその場で倒れこみ膝を付き泣き崩れた。
咲にとっても、親方は育ての親であった。
今ここに自分が居るのは親方のお陰やと・・そう思ってた。
何よりも辛かった。
猛の事が頭からなくなる位に辛く苦しい報告であった。
(今からやん・・今から親方にも恩返しできるて・・)
涙が止まらなかった。
ミナ:「咲・・ちゃん」
ミナは咲の後ろへ回り、そっと肩を抱いた。
そんな二人を見て、兵頭も空想の世界から戻ってきた感覚になった・・
兵頭:「・・・・・」
(親方・・死んでしもたんやな・・)
現実を見た途端に、涙が溢れ出た。
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