現実

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俺はまだ何も恩返しをしてない・・ 親方に育てられ、自分が変わっていくのを肌で感じていた。 そんな変わった自分を見てもらい、そして今から・・ 今度は俺が親方を楽させてやるんやって・・・ ホンマ今からやと思ってた。 誰かの為に、何かがしたい・・ そんな感情は、昔の俺には存在しなかった。 親方のお陰で欠落した感情を目覚めさせる事が出来た。 その感情は、照れ臭いけど温もりがあった。 それが何よりも宝物になった。 親方に貰った数え切れないモノ それのお陰で、最愛の女性と出会えた。 全ての原点として、今ここに存在する自分という人間の原点として・・ 親方は存在していた。 絶対的な存在やった。 俺はこの先何を目標に生きていけばええんや? そんな事を考えていた猛の眼は光を失いつつあった・・・
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