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視線が定まらず、何かを考えふけっている猛の【眼】から光が失われているように感じた。
静寂を打ち破るかのように、猛は静かに口を開いた。
猛:「リョウさん・・・
親方のところに連れていってくれへんか?」
そう呟いた猛からさっきまでの感情に任せた様子は感じ取れなかった。
兵頭:「・・・・・・ああ
木下さんに聞いてみるわ」
山川の死と言う何事にも変えられない悲しみに直面しながらも、仕事を全うしていた木下・・・
木下:「・・・・・・・・・」
(今、中途半端な事をして職務を全うせん方が山川さんに怒られるわ・・・)
木下は誰よりも山川と言う人間を知っているからこそ、悲しみを糧にして精一杯今を乗り越えようとしていた。
そんな木下の元に、猛の意識が戻ったと言う朗報が舞い込んだ・・・
山川亡き今、木下にとっても、猛の存在が希望なのであった。
(良かった・・・
ホンマに良かった・・・)
安心した瞬間、木下の瞳から涙が溢れ出た・・・・
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