現実

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何か固い決意をしたように前だけを向いてそう心境を語る猛であった。 ミナ:「・・・・うん」 その会話を横で聞いていた兵頭もまた、同じ理解をしていた為、猛の言う事に納得の表情を浮かべた。 兵頭:「・・・・・・・」 (最初、救急車でここに連れて来られた時、単なる偶然とはどうしても思えなかった・・・ 親方が・・・・ ここに導いてくれたんやと・・・ そう思った。 そして、その気持ちは木下さんに会った瞬間に確信へと変わった・・・) そんな事を考えながら、親方と猛の【絆】ってやつに何とも言えない感情を抱いていた・・・ しばらくして車椅子を持った看護婦と木下が病室へと入ってきた。 木下:「ちょっと痛いやろうけど・・・・」 そう言葉を濁し呟くと・・・ 看護婦は猛の状況を把握してるからこそ・・・ 【信じられない】 そう言いたげな表情をした。 兵頭に支えられ、車椅子へと移動し・・・ 尋常ではない痛さが身体を襲う・・・ その度、苦悶の表情を一瞬だけ浮かべ、必死に目線を前に向けた。 猛:「屁でもないです・・・ 行きましょう」
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