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親方に背を向けた瞬間、猛は力尽きた。
崩れるように、身体の力が抜けていった。
兵頭はあわてて自分の身体を預け抱え上げた。
全霊をかけて親方と向き合った代償がここに表れた。
兵頭:「猛大丈夫かっ!?」
猛:「大丈夫っす・・・」
その場にいた皆が安堵に包まれた。
猛を車椅子に戻し、兵頭は親方のもとへと歩を進めた。
改めて目の当たりにする親方は驚く程キレイな顔をしていた。
兵頭は親方に向けて、深々とお辞儀をすると静かに口を開いた。
兵頭:「親方・・・・
ホンマ世話になりました・・・
この恩は絶対に忘れません。
微力やけど・・・
全力で猛に付いて行きます」
親方の顔を凝視し・・・
そして静かにゆっくりと猛の方向へと視線を移し、兵頭は口を開いた。
兵頭:「猛・・・・
親方はそこに居るんやんな?」
猛に向け唐突に言葉を放った。
猛:「・・・・・・・」
猛は無言で頷き、兵頭の方を見上げていた。
その【眼】の光に改めて引き込まれている自分がいた。
そして、ふと気が抜けたと同時に改めてこみ上げてくるモノを抑える事ができなかった・・・
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