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翌日、通夜の準備が始まった。
親方には家族が居らず、木下が全てを取り仕切った。
親方が心許した人間全員で見送りたい・・・
そんな理由から、大きめの場所を手配してもらった。
会社には、兵頭が一旦戻り、全員に報告を入れた。
その突然すぎる訃報に社員一同言葉を無くしていた。
木下:「正直、どこまでの人間に山川さんの訃報を知らせるべきか戸惑いはある・・・・
山川さんは顔が広かったから・・・・
そんな情報が流れたらすごい人数が駆けつけて来ると思うわ」
猛:「木下さんに任せます。
俺は少しでも賑やかに送ってやりたいって思ってます・・・」
正直、親方のプライベートは何一つ知らなかった。
親方に家族が居ない事すら知らなかった。
気にはなっていたけど、聞けなかった。
その日、木下から初めて聞かされた・・・・
木下:「山川さんは、かずみさんが亡くなられてから、誰とも再婚していないんだ。
娘さんとも、大昔に縁を切ったって言うてたよ・・・・」
猛:「そうっすか・・・・
俺は何も知らんかったです。
ホンマ自分の事ばっかりの人間やて、今更ながらに恥ずかしく思います」
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