別れ

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そんなチグハグな状況の最中、兵頭に一人の刑事が声を掛けてきた。 刑事:「お前、リョウか?」 兵頭:「ん? 寺崎さん?」 寺崎という刑事は、妙に懐かしそうな顔をして、兵頭を見回し言葉を続けた。 寺崎:「リョウ・・・ お前らの事最近見やんなって思ってたら、えらい落ち着いてしもて、ええ?」 そう言いながら、嬉しそうに笑った。 兵頭:「寺崎さんも、変わらんですね? その顔だけはヤクザ顔負けですわ!」 寺崎:「お前に言われたないわっ」 二人は古くからの知り合いである事を証明するかのように、渇舌良く、話をしていた。 そんな二人に割って入るように、香取が姿を表した。 香取:「寺崎~入り口でそんな怖い顔して喧嘩してたら、警察に捕まるぞ?」 寺崎:「ハハハハハハ 香取さん、こんちは。 今日は珍しいっすね、一日ここですか?」 寺崎と呼ばれる警官は、ゴマを摺るような口調で香取に声を掛けていた。 香取:「ちょっと野暮用でな? 受付に兵頭って人が来たら俺に声掛けてくれってみんなに言うといてくれや」 寺崎:「兵頭? 兵頭て、こいつの事やないですか?」 香取:「ん? 自分が兵頭君か? 猛から頼まれてるんやけどな?」 兵頭:「猛から?」 香取:「まあ、ちょっと迷惑掛けてしもたみたいやな~ 児玉君はすぐ出てくると思うから・・・」 兵頭:「ホンマですか?」
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