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マサカズ:「すんません・・・
すんません・・・
俺のせえです・・・」
マサカズは自分を責める余り、自虐的な雰囲気に押しつぶされていた。
兵頭:「何でお前のせえやねん・・・
むしろ、もう少し早くお前の状況を気付いてやれればって、後悔してるのは俺の方や」
マサカズ:「すんません、リョウさん・・・」
兵頭:「ここで傷のなめ合いしてもしゃあないやん。
まず、猛の所に帰ろうや・・・
お前の話は後日仕切り直しや」
マサカズ:「・・・・・はい」
こうして、さっきまでの神妙な面持ちをかき消して、寺崎にお礼を言い、兵頭はその場を後にした。
マサカズを車に乗せ、猛の居る病院まで移動を始めた。
マサカズは移動中も下を向いたまま、考え耽っていた。
兵頭:「マサカズ・・・
お前が凹んでても仕方ないやないか。
今は前を向くしかないんや。
俺らが猛の足手まといになってどないすんねや」
マサカズ:「・・・・そうっすね」
マサカズに取っても、親方は恩人である。
何の希望もなかった自分を拾ってくれた人。
もちろん、猛が後押ししてくれたに他ならないが、新人の自分を昔からの部下のように親しみ溢れる気持ちで接してくれた・・・
初めて信用できる人間が猛なのであれば、初めて自分の心を理解してくれたのが親方であった。
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