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猛:「辺りは真っ暗でな?
その正面に光が見えたんや。
そこがどこかさえも分からんかったんやけど、その光が懐かしく感じてな?
そっちに向かって歩いたんや。
すると、その光からオカンが現れてな?」
咲:「母ちゃんか~」
咲は抑えていたはずの感情を思い出したかのように、照れくさそうにそう言葉を並べた。
猛:「オカンは、しきりに俺らの事を心配してた・・・
その度に謝ってたよ。
俺が小さい頃に覚えてるオカンそのままやったわ」
咲:「そう・・・」
猛:「あれが夢やったんか。
その会話があまりにリアルやったから、夢って実感が沸かんわ」
咲:「それで?
夢の中の母ちゃんは何て言うてたの?」
猛:「俺らの事は一日も忘れた事ないって。
それやったらなんで俺らの事迎えに来てくれんかったんや!
って怒ったら、迎えに行けんかったって言われたわ」
咲:「・・・・それって」
咲は何かの仮説にたどり着いたかのような表情になり、言葉を続けた。
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