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その場から離れようとしないマサカズの肩を抱き、兵頭は自分の車へと誘導した。
マサカズの肩から伝わる【震え】を身体全体で感じながら、兵頭もまた自分の決意を再確認していた。
数分後には病院に到着し、二人は猛の病室へと移動した。
病室では、咲と猛が色々と会話をしている声が聞こえてきた。
会話が止まったタイミングで扉を開けた。
猛:「マサカズ?
お前どないしたんや?
心配してたんやぞ?」
マサカズ:「猛・・・・」
予想外に落ち着いている猛を見て、マサカズは驚きを隠せずにいた。
猛:「事情は後で聞かせてくれや。
それより・・
親方、見に行ってくれたか?」
マサカズ:「・・・・ああ
俺は一体何してるんやろうな?
ホンマ情けないわ・・・」
猛:「そんな事、今悔いたかて、取り返されんやろうが。
少しずつでええんや・・・
みんなで成長していこや?」
マサカズ:「・・・・・」
(驚いた・・・
俺が昔仕事で失敗した時、親方に同じ事を言われた。
その言葉でどれだけ救われたか分からん。)
まるで親方にそう言われたかのような錯覚に陥った。
猛と親方がダブって見えた・・・・・。
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