別れ

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木下に連れられ、建屋の中へと入って行く。 見覚えのある顔・・・ 見た事のない顔もあり・・・ その時間で既に、30名程の人が集まっていた。 猛:「木下さん・・・ 親方の所に連れて行ってくれませんか?」 木下:「そうやな・・・」 親方の所へ到着し、車椅子をロックした。 猛:「木下さん・・・ ちょっと親方の前まで行ってもええですか?」 猛は立ち上がる素振りを見せて木下に懇願した。 木下:「猛君、あかんよ・・・ 無理はしたらあかんて」 猛:「分かってます。 無理するつもりはないです。 不思議と痛みがないんです。 軽く歩く位なら問題ないて・・ そう言われてるような感覚なんです」 木下:「猛君・・・」 (誰に言われてるて言うんや・・・ まるで山川さんが・・ ホンマ予測不能な安心感を与えてくれる子や) 猛:「木下さん?」 木下:「あ・・ああ。 兵頭君、ちょっと手貸してくれ・・・」 兵頭:「猛、大丈夫か?」 猛:「リョウさん、問題ない。 決して無理はしてへん。 なんか、親方に呼ばれてるような気がしてな?」 兵頭:「・・・・ほうか」
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