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聞こえない程の声で親方と会話をする猛の側に、香取がやってきた・・・
香取:「山川っ・・・
なんでお前が俺より先にこないなるんや・・・・・」
過去を振り絞りながら、短い一言を発し、そのまま黙って親方の顔を見ていた。
猛:「香取さん・・・・」
香取:「ん?
猛か?
お前・・・
刺されたってのはお前の事やったんか・・・・」
香取は辺りを見回し、兵頭と視線を合わすと、次にマサカズの方向を見た。
猛:「まあ・・・
結果として俺がやられて良かった思います。」
兵頭:「猛・・・」
香取:「猛・・お前はええ仲間を持ったな?」
香取はマサカズで止めていた視線を小さく頷くと同時に猛へと戻し、そう呟いた。
猛:「そうですね」
どの事で、【ええ仲間】やと香取が言うたかは分からなかったが、本人が【ええ仲間】やと思っていた分、即答に繋がった。
香取:「しかし、今だ納得がでけんわ・・・
木下・・・
何で助けれんかったんや・・」
香取が涙を滲ませ、木下に厳しい言葉を浴びせた。
木下:「・・・・・・・」
その言葉に対して、木下は返答できず、ただ下を向いていた。
猛:「香取さん・・・
木下さんは誰よりも親方の病気と闘ってくれた。
誰も木下さんを責める権利なんかあれへんねん・・・」
香取:「・・・・・・・・」
香取は黙って、猛の言い分を最後まで聞き、言葉を飲み込んだ。
(今日はヤケに猛と山川がダブる・・・・)
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