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坂上:「・・・ははは。
そうかも知らんな。
生きてきた世界は違うかったけど、山川にだけは最後まで心許せた・・・
山川の力が怖くて、そして頼もしかった・・・」
猛:「・・・・・・・」
猛は黙って、二人の会話を聞いていた。
坂上:「猛・・・?
山川も無念やったやろうな?
あいつは常に言うてたよ・・
自分の生きてる証を残したいってな?」
猛:「生きてる証・・・ですか?」
坂上:「それは人によって違うと思う。
やけどな?
それはみんなの気持ちの中にあるんやって、今日ここに来て思ったわ。
それは猛・・・お前の中にも存在してるんや。
山川を思う気持ち・・・
それをお前が持ってる限り、山川は生きてた証を持って逝けるんやないかな?」
猛:「坂上さん、ありがとうございます・・・・」
確かに今、この場にいる連中は仕事や用事を放り投げてここに駆けつけたのだろう・・・
そこにいる人達から、【偽善】の目は感じられなかった。
心から悲しみ、心から冥福を祈りに来ている人ばかりに感じた。
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