3402人が本棚に入れています
本棚に追加
/780ページ
猛:「勝手な想像で話を決め付けたくないんです。
啓子さんと親方に何があったんですか?」
坂上:「・・・・・・・・」
坂上は黙り込み、猛の視線に被せるように、目を見開いた。
香取:「猛よ?
その話を坂上から言わすのは道徳外れやろ?
どんな状況か、お前やったら分かるはずや。
俺が後で説明したるから、今は下がっとけや」
猛:「道徳?
香取さんがその話の現場に立会ってたんですか?
聞いた話なんやったら、そっちの話を聞く方が、坂上さんと啓子さんを傷つける事になるんやないですか・・・・?」
香取:「ええ加減にせえよ?
今、その話をぶり返す時やないやろうがっ!!
山川の前で、そんな話する事自体が間違いやて!!」
猛:「何で親父に隠す必要があるんですか?
今・・今日やからこそ、その話を聞いてもええんやないかって思います」
坂上:「猛君・・・
ちょっと気持ち整理させてくれんか?
後で、ゆっくり話するわ」
猛:「何を整理する必要があるんですか?
体のいい言い訳でも考えるちゅうんですか?」
坂上:「・・・・・・・」
坂上は一切視線を逸らす事なく、ただ猛の言葉を聞いていた。
川瀬:「ワレこら!!
ええ加減にさらせよ!!
ガキの分際でおやっさんと同じ言葉をしゃべるなやっ!」
猛:「同じ言葉?
今、この場では、俺と坂上さんの間に上下関係はない。
あんたこそ、話に割って入ってくんな」
川瀬:「なんやとこらっ!」
川瀬は猛に突っかかるように、突進してきた・・・
最初のコメントを投稿しよう!