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咄嗟に兵頭が猛の前に出て、川瀬の動きを静止する。
それと同時に、川瀬の前へ木下が立ちはだかった。
川瀬は木下は片手で往なし、猛目掛けて最短距離で向かってきた。
兵頭がそんな川瀬を押さえ込んでいたが、その巨漢には似合わない素早い動きに加えて、想像以上の力やったんやろう・・・
兵頭は右へと投げられ、その場に両の手と片膝を付いた。
兵頭が次の瞬間、川瀬を凝視した時には、川瀬の左手は猛の胸倉を抉り、持ち上げようとしていた。
猛:「くっっ・・・」
あまりの痛さに歪む表情・・・
そう・・・
何とか生意気に大丈夫と言い続けてきたが、実際は痛みの限界であった。
それに加え、川瀬の力が加わり、その痛みは想像を絶するものになってきた・・・
とその時・・
坂上:「川瀬!!やめやっ!!
お前はもう下がってろや!」
普段の坂上からは想像も出来ない程の大声で川瀬を捲くしたてたのであった。
フワッと浮き上がった身体が再度地面に落とされた。
その衝撃すら、想像できない痛みに変わっていた。
両手を付いたまま、起き上がれず苦悶の表情を浮かべるしかできなかった。
隣にいた兵頭も川瀬の存在に驚きながら、猛に近づいた・・・
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