3402人が本棚に入れています
本棚に追加
/780ページ
兵頭:「猛っ!
大丈夫か?」
猛:「・・・・・・・・」
そこで大丈夫と言いたかった。
やけど、言葉を口から出す事が出来なかった。
兵頭:「おい・・・・」
猛は近づく兵頭を右手で制止し、小さく頷いた。
その右手で兵頭のシャツを掴み、その勢いで立ち上がった。
同時に川瀬の方を鋭い眼で睨み付けた。
川瀬:「・・・くっ」
力の差を見せ付けたはずやのに・・・
何でそんな生きた眼をする事が出来るんや・・・
そう思いつつも、絶対的存在である坂上からの命令により、その場を去って行った。
川瀬の後ろを、4人の男がついて退室した。
坂上はそんな川瀬らを遠目で見ながら小さく頷いた。
坂上:「猛君・・・
自分の言う通りやな。
やけど、話せば長くなるんや・・・
後でみんな帰ってから山川の前で話しよか?」
猛:「頼んます・・・」
その言葉を言うのが精一杯であった。
木下:「猛君・・・
あかんわ・・・・
服に血が滲んできてる・・・」
即座に医者の目になった木下と目線を合わし、猛は微笑んだ。
それは言葉として存在しなかったが、間違いなく木下は猛の意志を受け取る事が出来た・・・
最初のコメントを投稿しよう!