別れ

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兵頭:「猛っ! 大丈夫か?」 猛:「・・・・・・・・」 そこで大丈夫と言いたかった。 やけど、言葉を口から出す事が出来なかった。 兵頭:「おい・・・・」 猛は近づく兵頭を右手で制止し、小さく頷いた。 その右手で兵頭のシャツを掴み、その勢いで立ち上がった。 同時に川瀬の方を鋭い眼で睨み付けた。 川瀬:「・・・くっ」 力の差を見せ付けたはずやのに・・・ 何でそんな生きた眼をする事が出来るんや・・・ そう思いつつも、絶対的存在である坂上からの命令により、その場を去って行った。 川瀬の後ろを、4人の男がついて退室した。 坂上はそんな川瀬らを遠目で見ながら小さく頷いた。 坂上:「猛君・・・ 自分の言う通りやな。 やけど、話せば長くなるんや・・・ 後でみんな帰ってから山川の前で話しよか?」 猛:「頼んます・・・」 その言葉を言うのが精一杯であった。 木下:「猛君・・・ あかんわ・・・・ 服に血が滲んできてる・・・」 即座に医者の目になった木下と目線を合わし、猛は微笑んだ。 それは言葉として存在しなかったが、間違いなく木下は猛の意志を受け取る事が出来た・・・
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