別れ

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喜一がその場を去った後、ようやく一息つく事が出来た。 弱いとこを見せたくないという気持ちだけで、喜一の前では普通を装おっていたが、体力的にも限界を感じていた・・・ 一通りの人間が焼香を上げ、特に深い付き合いをしていた人間だけが残った。 その中には、田所も居た。 田所:「私も一緒にいさせてもらうよ?」 田所は猛の異変には敢えて触れず、そう言った。 猛:「常務・・・ ありがとうございます。 親方も喜んでますわ」 田所:「社長にはホンマ世話になった。 色んな意味でワシの中では、絶対欠かす事のでけん人間やった・・・」 猛:「親方も同じ事を言うてましたよ・・・ 田所さんには助けてもろたって・・・」 田所:「ワシは何もしてへんよ。 社長の力でここまで大きな会社になったんや」 猛:「やけど、切欠として俺も助けられた。 田所さんが俺みたいな人間を対等に見てくれたから・・・・・ 何よりも嬉しかったです」 田所:「猛・・・ お前の【眼】の話は昔したよな?」 猛:「ええ・・・ あの時は、意味分かりませんでしたけど・・・ 今なら分かる気がします」 田所:「ハハハ。 お前の【眼】は【魅眼】と同じ【眼】してるんや・・・」 坂上:「田所さん、ご無沙汰してました・・・」 田所と会話をしている横から、坂上の親分が口を挟んできた。
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