別れ

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田所:「実際、ワシはお前と会ってく内に、猛・・・お前に魅せられていったよ・・」 猛:「・・・・ありがとうございます」 田所:「男が男に魅せられるって、そんな単純なモノやないんや・・・ 逆に言えば、【魅せれる人間】てのは、選ばれた人間なんや・・・」 坂上:「猛・・・ 田所さんの言う意味が分かるか?」 猛:「・・・・はぁ」 おぼろげに分かってはいたが、それが何なのか明確には分かっていなかった。 田所:「猛・・・ お前に分かって欲しくて、こんな話をしてるんやない。 猛は今からの人間や。 これからの長い道のりで、色んな出会いをすると思う。 その全てが貴重な出会いなんや・・・ きっと、猛・・・お前にはすごい人間が集まってくる」 猛:「・・・・・・・」 (夢で親方に同じ事を言われた気がする・・・・ 漠然としすぎてて、実感は持てへんけど・・・ こんな俺が選ばれた人間やて言うんか?) 猛は自分がこれほど評価される人間やとは到底思えず、困惑していた。 田所:「難しい事を言うつもりはない。 それが山川さんの気持ちやと、胸にしまっててくれ」 猛:「・・・・・はい」 身体中に電気が走った・・・ それだけ、最後の田所が言った言葉に心が揺れ動かされた。 (親方の気持ち・・・か) 今、目の前で静かな眠りについている親方に、心で語りかけていた・・・・・。
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