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田所が司の話を仕掛かる前に、坂上が口を開いた。
坂上:「田所さん・・・。
申し訳ないです・・・。
おやっさんの話をする前に、どうしても解決させなあかん話がありまして・・・
先いいですかね?」
田所はそれを快諾したように、頷き口を閉じた。
坂上:「猛・・すまん。
ワシは啓子ちゃんの事で言い逃れするつもりなんか全くない。
恨まれても仕方ないって思ってる・・・」
猛:「何があったかなんてどうでもいいです。
やけど、啓子さんの心に背負った傷だけは取り除かせてやりたい。
こんな姿になってしもて、まだわだかまりがあるやなんて・・・
それを見てるのが辛いだけです」
坂上:「ああ、そうやな」
小さく頷き、坂上は言葉を続けた。
坂上:「ワシと山川は若い頃、おやっさんの下で、世話になってた・・・
どないしょもない、ワシを拾ってくれて、学ばせてくれた・・・
ワシからしたら、神以上の存在やった。
そして、ほぼ同じ時期におやっさんの下に来たのが、山川やったんや・・・」
猛:「・・・・・・」
猛はその話に頷き、興味を示していた。
坂上:「ワシも山川もプライドの塊みたいな奴やったから・・
よう揉めたわ
やけど、次第に打ち解けていけた。 おやっさんを思う気持ちだけは一致してたからや・・・
水と油でも混じり合う事が出来るんやとホンマに思ったよ」
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