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坂上:「頑なに山川が戻る事を拒んだんや・・・
かずみさんは分かってた。
今、山川が抜ける事がどういう事を意味するかってな?
元々身体の弱かったかずみさんは、気丈に振舞ってたんやろう・・・
それは、山川とかずみさん・・二人にしか分からん事やろうけどな・・・・
娘の啓子ちゃんからすれば、お母さんが倒れてるのに、なんでお父さんは帰ってこないのか・・
納得できなかったと思う。
そして、ワシらの仕事が落ち着いた頃には、かずみさんは手遅れやった。
山川は苦痛な表情を浮かべながらも、それを見せずにかずみさんと接していた。」
猛:「・・・・・・・・」
坂上:「かずみさんはそのまま息を引き取ったよ・・・
悲しみに浸る啓子ちゃんは、それをぶつけるモノがなかったんやろうな・・・
執拗に山川の事を責めてた。
それは違うて・・・
山川が家に戻れなかったのはかずみさんが・・・・
通夜でも葬式でも、その確執は増すばかりやった・・・
ワシは我慢できんで、啓子ちゃんを捕まえて説明したんや。
当然、聞く耳なかったけどな?
年頃の反抗期やし、何を言うてもあかんって分かってたけどな・・・
ハナから否定する啓子ちゃんが許せんかった・・・
彼女は、山川の仕事から全てを否定した・・・
それが勢いやとは分かってたけど、ワシは頭にきてしもてな・・・・」
猛:「・・・・・・・」
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