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香取:「その話をぶり返させたくなかったんやけどな・・・
坂上がそこまで話たんやったら、俺からも一言言わせてくれや・・・」
香取は坂上の話を傍らで聞き入れ、そう口を開いた。
猛:「どないしたんですか、香取さん?」
香取:「ワシもその話は知ってる・・・ かずみさんの葬式で見てたからな。
やけど、そうなるまでの経緯を知らんから、あえて話に入らんかった。
端から見たら、ただ事やないって思った。
あれからしばらくして、啓子ちゃんは家を出た。
あれだけかわいがってた愛娘をそんな形で放り出してええんか?
そう思ったけど、あえて何も言うつもりはなかった。
ある日な?山川と酒飲んでる時に、あいつ言うてたわ。
坂上には感謝してるってな?
それの意味までは分からんかったけどな・・・
啓子ちゃんの事かって聞いたら、笑いながら頷いてた。
あいつの中では、啓子ちゃんを自由にさせてやりたいって気持ちがあったんやろう・・・
あいつの好きに生きればええってな・・・
あいつは知人に頼んで、啓子の生活を陰で支えてたんや。
啓子ちゃんは何も知らんと思うけど、仕送りから何から何まで養父に送り続けたのはあいつなんや・・・・」
坂上:「・・・・・・」
坂上は目を見開き香取の話を聞いていた。
その事実を聞き終えると安堵の表情となり、小さくため息をついたのが印象的やった。
猛:「そうやったんですか・・・・
香取さんさっきは生意気言うて申し訳ありませんでした」
香取:「司さんの息がかかった連中は生意気な奴ばかりやからな~~
何も気にせんでええわ」
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