別れ

57/60

3402人が本棚に入れています
本棚に追加
/780ページ
香取の話で少し落ち着き、別れの夜は流れていった。 親方と坂上さんが【おやっさん】と崇拝していた、司さん。 彼の話を田所さんから聞き、その偉大さにただ呆れるだけであった。 その話を坂上と香取は懐かしそうに聞き入っていた。 香取:「ワシがまだひよっ子の刑事やった時、ホンマ司さんにはイロハを教えてもろた・・・ 仕事では交われない関係やったけどな・・・ そんな関係なんか何ら壁にならんかった。 それだけ、魅せられたんや」 猛:「何か分かるような気がします・・・」 香取:「その感覚はな・・・ 司さんと出会った人間にしか分からん感覚なんや・・・ 猛・・・ ワシも、お前と初めて会った時に同じ気持ちになったよ。 山川や坂上が言う意味が分かるよ・・・・」 猛:「・・・そうっすか」 香取:「まだまだ、未熟なお前にそれを背負えってのは、荷が重いかも知らん・・・ やけど、気持ちだけは負けたらあかん。 お前なら背負っていける。 坂上が言うように、これからの出会いを大事にせえよ?」 猛:「・・・・・・はい」
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3402人が本棚に入れています
本棚に追加