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そして、親方の葬儀が営まれた。
最後の別れ・・・・・
決意した気持ちとは反比例に涙が溢れた。
猛は一人、心の中で親方に叫んでいた。
(これは、悲しくて泣いてる涙やない・・・・
親方の気持ちが嬉しくて泣いてる涙やねん・・・・
ホンマ・・・・
ホンマにありがとう・・・・
親方?
親方の目に、俺はどう映ってますか?
今はまだ、未熟者やけど・・・
必ず、親方を超えてみせます・・・・)
どんなに堪えても、涙は止まらなかった。
後ろを振り向きたくなかったが、ただ後ろだけしか見れなかった・・・
親方の元、培ったスキルをただ見返して、楽しかった毎日を振り返る事しか出来なかった。
多くの人に囲まれて、入りきらない花達に囲まれた親方・・・
その手の小指には、赤い毛糸が巻かれていた。
そして、猛、木下、坂上、香取、兵頭、マサカズ そして田所の指にも同じ毛糸が巻かれていた・・・・・。
親方の意思を継ぐ者達が終結した・・・・
死してなお、受け継がれる気持ちを残して、親方の身体はこの世から別れを告げたのだった。
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