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兵頭:「やけど問題は、それを啓子さんが望んでるかどうか・・・やな」
猛:「望む?
それは違いますよ・・・・
それが啓子さんにとって定めなんです。
本人にも感情はあると思う。
やけど、その感情とこれからはもう関係ない」
兵頭:「・・・・・・」
兵頭は、確固たる自信に漲った猛に対して、次の言葉が浮かんでこなかった。
会社に到着し、猛は社員全員に挨拶をし、その日の夜に全員を集めて、今後の話し合いを敢行した。
猛:「みなさん色々迷惑を掛けてしもて申し訳ない・・・・・
親方の事は、ホンマ残念ですけど・・・・
親方はずっと、ここに居続けています。
世話になったからこそ、ここから皆で少しづつ恩返しをしていきたいと思ってます。
私はまだまだ未熟者やけど、親方に代わり、この会社の指揮を取らさせて頂きたいと思ってます・・・・
これからも宜しくお願いします。」
言葉一句一句に気持ちを込めて、社員に伝えた。
その気持ちは、間違いなく皆に伝わったであろう・・・・
長野:「みんな!!新しい親方や!!
頑張ろうや!!」
長野の一言に、大多数の社員が賛同し、その場は拍手が鳴り響いた・・・
何よりもうれしく、何よりも安堵した瞬間であった。
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