次の世代へ

14/15

3402人が本棚に入れています
本棚に追加
/780ページ
二人の関係がただの関係ではないと踏んだ兵頭。 中心に親方がいて、それを結ぶ【絆】というものが、それをより大きなモノにしていた。 そして、兵頭が疑問に思っていた事を、啓子本人が猛に投げかけた・・・・ 啓子:「なぜ、私を誘ってくれたの?」 猛:「それは、さっきも話しました。  正直、啓子さんの存在は親方がああなるまで知りませんでした。 やけど・・・・・ その存在を知ってしもた以上は、一緒にこの会社を大きくしなあかんて・・・・ 親父からも娘を宜しくて、言われてるような気がしました。 それに、僕がどんなに努力しても超えられない、唯一の存在が啓子さんあんたなんです」 啓子:「猛君・・・ あなたと話をしてるとね? その視野の広さ、目線の先が他の人と違うと言うか・・・・ うまく言えないけどね? 昔、私が父に感じた思いが蘇ってくる。 とても不思議な感覚なの」 猛:「・・・・そうですか」 兵頭自身も疑問に思っていた事・・・ その疑問も明確となり、納得する事が出来た。 猛が言う、絶対超えられないモノ・・・・ それは目標であり、仲間というモノなのだと・・・・ 啓子という存在を親方にダブらせているのだろうと・・・・ 兵頭なりに理解していた。 啓子がそれと同じ理解をしたかどうかは分からないが、彼女が口に出した言葉は、猛と一緒に仕事がしたいという本心なのだと・・・・そう確信していた。
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3402人が本棚に入れています
本棚に追加