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少しづつではあるが、会社は昔の色を保ちつつ動き始めていた。
端から見れば、普通に機能してるように映るであろう・・・
しかしながら、その普通を築きあげるのが、何よりも大変であった。
会社を維持しなければならない・・・
今までのように、雇われる身分ではない・・・
経営というものを目の当たりにし、それがどれだけ大変かを体感した。
兵頭もその荒波を体感しながら、自分の立場というモノに伴わない自分にイライラが募っていた・・・・。
自分の存在を鼓舞する為にも、猛の上を想定した意見が求められる。
普通の意見では通用しない。
それがすなわち自分が生きてきた道そのもののように感じていた・・・
(くそっ!! 猛を支えるやと?? 口で言うのは簡単や!!)
道を踏み外して路頭に迷っていた過去に目をやり、自分の不甲斐なさとダブらせていた・・
そんな未知の領域へと入り込んだ状況に置いても、驚くべきは猛の対応力である。
どんな状況に追い込まれようが、自然とその状況を自分のモノにしてしまう猛に、天性のモノを感じざるを得なかった。
不利な状況すら有利な状況に持っていってしまうその感性に、ただ驚かされたのである。
こうして、猛を筆頭に、仲間一人一人の意識として、会社は少しづつ成長していった・・・
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