二人の行方

14/14

3402人が本棚に入れています
本棚に追加
/780ページ
猛:「こうやって、ミナと出会ったのも、一緒になれたのも・・・ 親父に学ばさせてもろたから・・・・ 心に余裕が出来たから、ミナの事を好きになる事が出来た・・・ 多分、親父に出会ってなかったら、俺はミナの事を好きになれんかったと思う・・・・ それだけ、俺は感情が欠落してたんや・・・・」 ミナ:「猛君の感情が欠落してるって・・・喜一から何度も聞かされてたよ? やけど、私にはそうは思えなかった」 猛:「ミナに会う随分前の話や・・・・ 俺は親父に出会えんかったらどんな人間になってたんやろうな?」 ミナ:「猛君は猛君だよ・・・」 猛:「いや・・・・ きっと俺は・・・・ 落ちてたと思うわ・・・・」 ミナ:「それでも、私は猛君を好きになってたと思う・・・」 ミナはそっと猛の手を取った。 猛もそれに答えて、手に力を入れた。 二人で親方の墓に頭を下げ、背中を向けた・・・・ 手を繋ぎ、墓から遠のく二人・・・ ふと、ミナが呟いた。 ミナ:「今、私たちの後ろに親方が居る・・・・・・・。 そんな気がするわ」 猛:「親方はいつも俺らの事を守ってくれてるんや・・・・」 守るモノが居る強さ・・・・ それを何よりもかみ締めていた・・・・
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3402人が本棚に入れています
本棚に追加