軌道

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ミナの一言から、気持ちに【揺らぎ】が生じていた。 ミナは猛に気を使いながらも、自分の気持ちとして言ったまでであった。 【猛君のお父さんに会ってみたい】 それは、否定されて当然の事。 それでも、ケジメとして会ってみたかった。 猛を苦しめたその人に・・・・。 猛の口から出た返事は当然の如く否定であった。 猛:「お前・・・アホか。 あんなん、俺の親父やないって何度も言うてるやろうが・・・ 俺の親父は親方だけやねん」 それでも、ミナは会っておきたかった・・・・ それは、一人の女として猛を愛している自分に対してのケジメ・・・・ 今の彼は、感情に欠落なんて絶対ない・・・・ けど、時折見せるあの悲しそうな表情は・・・・ 絶対、過去に原因がある。 もちろん、親方を失った悲しみが大半を占めているのは理解しているのだが・・・・ それより更に奥・・・・ そこにまだ何かが潜んでるような気がしていた。
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