ひとり

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いまどきエアコンもついてないような古ぼけた教室も、放課後になれば吹き込む風でちょっとは蒸し暑さから解放される。 それでも「あっつー!」なんていいながらシャツの襟口をパタパタさせて、同級生たちが三々五々散っていくのを、夏(ナツ)は (どうしょう…) と思いながら見送っていた。 今日は誰とも一緒に帰る約束をしなかった。 フツウそんな約束しなくても自然と帰る相手なんて決まっているものだけど、どこのグループにも入っていない夏は、放課後までにお相手を決めなければ一人で帰る羽目になる。 そんなハブにされてる人みたいなのは嫌だったけども、今日はどうもタイミングが悪くて誰にも話し掛けることができなかったのだからしょうがない。
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