◇はじまりとおわり◇

5/6
前へ
/56ページ
次へ
その日の夜、彼への気持ちを整理できないままの僕に《辛い現実》が襲ってきた 彼の言っていた人物が誰なのか 僕は知ることになる…… 「えっと、彼と先週から付き合うようになったんだ」 目の前にいるのは大学に通う兄と、今日終わりを告げた彼 「真と同じ学校なんだけど、知ってるかな?」 照れながらも親しげに白馬を紹介する兄 その横には、兄弟と知らなかったのか顔色を変えた彼 「……ハジメマシテ。中村白馬です」 ぎこちなくも、そう挨拶をする彼に「会ったことなかったんだ?」と、その彼の腕に触れ見上げながら話す兄 やめて!! 叫びたくて 彼に触るな!! その手を叩きたいのに… 先週ってどういうこと? そう問い詰めたいのに… 僕に出来たのは 「ハジメマシテ」と返すことだけだった。 .
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

461人が本棚に入れています
本棚に追加