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この時の坂本を表現しようと思ったら、慌てふためくなんて在り来たりの言葉は使いたくないわね。
そうね、強いて言うなら『ひょっとこ』かしら。
彼の顔はまさに、お祭りで見掛けるひょっとこのお面。
「あんたは黙っていなさい、って言ったでしょう! 敬ちゃん、昨夜の被害品なんだったのか知ってる?」
坂本は何かを言おうと、必死に口をパクパクさせていたけれど、完全にパニック状態。
「あたし、お母さんに聞いたんだけれど、教えて貰えなかった」
「じゃあ、あたしから言うわね。それは業務用のカレー粉だったの」
「まさか…………」
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