45人が本棚に入れています
本棚に追加
解離性同一性障害解離
解離性同一性障害(以下:DID)とは簡単に言ってしまえば多重人格です。
しかし多重人格障害(MPD)とは異なる病気ですのでご注意下さい。
DID患者には複数の異なる人格(最低2人格)が存在します。
さらにその人格一つ一つは独自の感性や心を持つ、一人の人間です。
ここからはDID患者本人のことを主人格、本人以外の人格を交代人格と表します。
私の場合は主人格の他に5人の交代人格が存在します。
そしてその一人一人は名前も年も性別さえもバラバラです。
好みや趣味もそれぞれ違います。
人によって個人差はあると思いますが、私の場合は交代人格が外に出ている間の記憶が全くありません。
そのため多くのDID患者は「物忘れ」では説明しきれない記憶障害を併発しています。
中には交代人格が出ている間の記憶がある方もおられます。
また逆に主人格が出ている間の記憶は交代人格に残っている事が多いです。
こちらももちろん個人差はあります。
人格の変更は基本的に主人格の意思とは関係なく行われます。
そして私のように特定の交代人格との入れ代わりが可能な方も中にはいます。
中には全員と入れ代わる事が可能な方もいます。
しかしそのような方ももちろん自分の意思とは関係なく人格変更が起こります。
多くのDID患者には自分がDIDである事を周りに隠そうとする傾向がみられます。
その理由は信じてもらえないからです。
人格それぞれが別の人間といっても、体は一つです。
声や言語が変わることはほとんどありません。
(MPDの場合言語が変わる例もあります。)そのため「嘘」だと思われてしまうのです。
勇気を出してカミングアウトしても「からかってるの?」と言われてしまえば、その勇気も全て無意味となります。
DID患者と付き合っていくのは少し戸惑いも多いかも知れません。
しかし交代人格の一人一人を別々の人間として見てあげれば、難しい事ではないのです。
同じ体の中に複数の人間が存在し、その一人一人は別の心を持っています。
決して否定的にならないで下さい。
存在をしっかり認めてあげて下さい。
最初のコメントを投稿しよう!