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「だから、聞いたか?とかの話」
そう言うと真宮は思い出した、というように笑った。……笑うと幼く見えるんだよね、コイツ。
「あ、そうそう。雪は聞いたぁ?転校生のぉ、はなしぃ」
あ、雪ってのは俺の名前。正確には紫月雪兎(シヅキ ユキト)って言うんだけど、真宮は何故か雪って呼ぶんだよな。まぁ、いいけど。
それよりも……
「……転校生? 今の時期に?」
今は、5月半ばぐらいだから有り得なくないか?普通、入学して間もないのに転校するか?
「何かぁ、家庭のぉ事情らしいよー?」
「…へぇ」
「あとー、その子ねぇ美少年らしいからー気をつけてねぇ?」
何で、俺が?とも思ったが昨日、あまり寝てないせいで眠気が襲って来た俺は、軽い返事をして夢の中に入ってしまった。
俺には関係無いだろう。と、真宮の言葉を無視していたのがいけなかった……。
あんな事になるならもっと聞いとけば良かった!
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