■ 第一話

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    「だから、聞いたか?とかの話」 そう言うと真宮は思い出した、というように笑った。……笑うと幼く見えるんだよね、コイツ。 「あ、そうそう。雪は聞いたぁ?転校生のぉ、はなしぃ」 あ、雪ってのは俺の名前。正確には紫月雪兎(シヅキ ユキト)って言うんだけど、真宮は何故か雪って呼ぶんだよな。まぁ、いいけど。 それよりも…… 「……転校生? 今の時期に?」 今は、5月半ばぐらいだから有り得なくないか?普通、入学して間もないのに転校するか? 「何かぁ、家庭のぉ事情らしいよー?」 「…へぇ」 「あとー、その子ねぇ美少年らしいからー気をつけてねぇ?」 何で、俺が?とも思ったが昨日、あまり寝てないせいで眠気が襲って来た俺は、軽い返事をして夢の中に入ってしまった。 俺には関係無いだろう。と、真宮の言葉を無視していたのがいけなかった……。 あんな事になるならもっと聞いとけば良かった!
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