■ 第一話

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    「……き…、ゆーき?起きてー。もぉすぐ、御剣が来るよお?」 「…んぅ」 軽く肩を揺すられて、顔を上げると満面の笑みを浮かべた真宮の顔があった。………しかも、また顔近いし。 「かわい」 かわい。って、平凡の俺に言う言葉じゃないよな。そこら辺にいるカワイイ系のチワワ達に言う言葉だよな! 「………俺じゃなくて、真宮のこと大好きな親衛隊の人達に言ってあげたら? 泣いて喜ぶと思うよ」 ……多分。いや、絶対。 「いや。絶対にいや」 おおぅ、すっげー拒否。こっちをチラチラのぞき見?してた数人のチワワがかなりショックうけてんだけど。 「オレは、雪が………」 ――ガラッ 「オラ、とっとと席につけ」 『キャー、先生カッコイイ!』 『抱いてー!』 「…チッ……キモ」 確かに、男がキャーキャー言ってるのはキモいけどさ。そんな声に出さなくても……。 というか……―― 「どぉっから、出てるんだろうねえ…………マジ、キモい」
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