■ 第一話

11/99
前へ
/184ページ
次へ
    「……ネコも何人かヤられてるみたいだし。生徒会、風紀レベルの規模の親衛隊が出来そ…」 転校生君がニコッと人懐っこい笑顔をコチラに向けた瞬間、クラス中―俺達除く…が、固まった。 タチの奴らは顔を真っ赤にし前屈みになり、ネコの奴らは― 『可愛いー!』 『スッゴい美少年!』 『お姫様みたい!』 ―と騒いでるし。 うん、コレは…―― 「後々、めんどくさそぉだから関わん無いほーがいいねぇ……」 真宮も同じ事を思ってたみたいなんだけど…… 「なんか…俺、嫌な予感するんだよね」 「なんでー?」 俺の呟きに反応した真宮が首を傾げながら聞き返してきた。 「何でって…。んじゃあ、真宮から見て左を見てみよー……………右じゃないから。右には窓しか無いから。左だよ左」 俺の席は窓側の一番後ろ。寝るにはいい場所なんだよね………。 じゃなくて!真宮の席は俺の前。そして、今は俺の方を向いてるから『真宮』から見て左って言ったのに右を見る真宮。 ――天然? それともワザと? 「ひだり~?………………アレって」 ニコニコと笑っていた真宮の顔から笑顔が消えた。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5542人が本棚に入れています
本棚に追加