カシマシ女とラブコック

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最初はちょっとした言い合いだった。あまりにも身勝手な自称・海賊の発言につい強く言い返してしまい、逆ギレした男に殴られそうになったときに彼は現れた。 スーツをサクッと着こなした金髪のハンサムボーイ。 「お怪我はありませんか、レディ」 その長い足で海賊を蹴散らしたあと、彼は、にっこりと、まるで王子様のように笑って私に手を差し出した。 「ええ、平気」 どう見ても、海賊に殴られそうになっていたか弱い女の構図だったものね、助けに入ってヒーロー気取り?このでしゃばり男。 あたしがハッ倒したかったのに余計なお世話よバカヤロウ、と言いたい気持ちとひきつった頬を笑みでおさえこみ、なんとか礼を言う。
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