第三章:悪意の理由は善意

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◇ ◇ ◇  ねぇねぇ空くん、ご飯どうだった? 美味しかった、かな?  そう……、美味しいって言ってもらえて嬉しいな。だって空くんのために張り切って作ったんだよ。この日のためにずっと練習してきたんだから。  でも、ここで残念なお知らせがあるのですよ。なんと私には空くんのために一日二食しか作ってあげられないのです。  やっぱり日中は今まで通り過ごさないとマズいですからね。  勿論、私は空くんから離れたくないんですよ! でも、これも空くんを守るためなんです。お昼ご飯は抜けちゃうけど我慢してくださいね。その代わり、目一杯私の愛情をですねピリリリリとうるさい!  あ、空くんお電話ですよー。さあて、どなたからの電話でしょうか?  あー、相沢さんですか……。  出る気など微塵もないですが、切ると怪しまれそうなので無視しましょう。  ………………。  …………。  ……くどい! いつまで鳴らし続けるんですかまったく。しつこい女は嫌われますよ? 嫌われます嫌われる嫌われる嫌われろ嫌われろ。  目障りなんですよ、いつもいつも空くんにべったりくっついて。空くんの隣に相応しいのは私なのに。  いっそ……、  いなくなっちゃえばいいのに。
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