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引っこ抜かれる根元からごっそりと。毛、が、抜、け、る!
「いったぁぁぁぁ!?」
なに、この子怖い。いきなり何をしでかしてやがるのでしょうこの阿呆は。え、ちょっと本当に。笑えない。冗談で済まない。ちょっと泣いた。収穫祭じゃないんだから。農家の人だって大地の恵みに感謝してるから。いや、まぁ感謝したって抜いちゃいけないけどさ。
頭おかしいんじゃないの!
「ごめんなさい!」
じゃ、ねーよ! なんで凶行に及ん……、及んえぇ?
逃げた?
うわ、逃げた!
脱兎の如く駆け出した彼女に対して、頭を抑えてうずくまっていたため追い駆けることも出来ずに、闇に消えていく後ろ姿を茫然と見送った。
やがて足音も消え、夜闇の静寂に包まれた時、彼女の真意に気付いてニヤリと口元が醜く歪んだ。
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