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罪悪感で潰れそうになって、僕は壊れたフリをする。僕に触れようとするあらゆるモノを拒もうとする。
だって、僕は不幸で不完全で。
そうでもしないとやりきれなかったから。
だから、僕より幼い妹の方がずっと辛いのを知っていて、気付かないフリをした。
醜いエゴで固めた心の堤防で、妹を寄せ付けなかった。
妹の隠しても隠しきれない惨状に目を瞑って、突き放した。
僕なんかに妹の名前を呼ぶ権利はないと勝手に思い込んで、妹の名前を、存在を否定した。
全部、先生の言う通り。
避け続けてきた現実は、昔よりずっと酷くなってしまっていて。
どうしてあのとき何もしてやらなかったんだ、と後悔して。
それでも、僕はまた逃げて。
全部、あの日のせいにして。
気遣う周りの人を騙して。
そして、気付いた。
僕が嫌う理不尽で自分勝手な、“悪意”と僕がなんら変わりないということに。
だから、僕は振り返った。
妹を見据えた。
妹を救うのだ。
妹に巣食うのだ。
もう、僕の大切なモノを悪意に奪われないように。
悪意に巣食われた妹の中に割り入って。
巣食う悪意を追い出して。
また悪意に巣食われないように僕が悪意となって巣食うのだ。救うのだ。
エゴだ。
全部僕のエゴだ。
誰のためでもない、僕自身のために。
僕はスクウよ。
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