第二章:好意と憎悪は紙一重

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◇ ◇ ◇  そして翌日。ストーカー男はきっちり捕まって、僕ら三人は午前中こってり取り調べを受けた。  果たして、僕が警察にお世話になるのは何度目だろうか。そろそろ、同い年で僕よりお世話になっているやつなんていないんじゃないかと思えるほどだ。  煩わしい問答に憔悴し切った頃ようやく解放されたというのに、警察署を出ていの一番に先生に頬を張られて、茜さんにはコブラツイストを頂戴した。  自ら危険に首を突っ込むな。もっと大人を頼れ。などと言われ、まったくその通りだったので僕は素直に首肯した。すると、何故か真剣味が足りないと二人から怒られた。  もしかしたら、僕は心配されているのかもしれない。そう言ってみたら、また叩かれた。余計なことは口に出さない方がいいということを再認識した。  やっぱり、僕の周りには優しくて頼もしい大人が居るのだなぁと、他人事のように思う。  こんな不出来な僕を思いやってくれてありがとうございます。
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