憧れ

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あたしは床に倒れてた。 床で寝てたってのが正確なんだけどさ(笑) 『こんなんじゃ死んでるって勘違いされるわ(笑)』 あたしはボソっと呟いた。 バンギャがあたしを見てクスっと笑う。 「あなた面白いねっ!学部どこ?」 『え?』 ちょっと警戒。 だって見知らぬ人にそんな話せる?それが普通なの? あたしが 黙っているとバンギャは顔を近付けてきて言った。 「あたしね♪ほーがくぶっ!」 これにも驚いた。 法学部だと? いやいや待てよ、 バンギャが言ったのは ほーがくぶであって法学部ではないかもしれないし、いや、でも… 「どうして黙ってるの?」 不思議そうにあたしを見るバンギャ。 何こいつ。 超かわいいじゃん。 バンギャは ずーっと、きょとんとして お預けくらった犬みたいな顔してる。 こういう女がモテるんだろうな。 『あたしも法学部…』 あたしは それだけ、やっと言えた。 「本当!?きゃー!嬉しいな♪こんな可愛いこと一緒だなんて♪あたしねっ西元楓(ニシモトカエデ)っていうの!よろしくね♪」 にしもとかえで……… なんか超純粋そうな名前だなあ、 なんか…あってない(笑) 「ねえ!あなたの名前はっ?」 超人懐っこい笑顔。 何この子?バンギャじゃないわけ? ああー わけわかんない。
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