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『三宅結菜。あたし一浪してんのよ』
あたしは
なんだか苛立ってつい一浪のことまで言った。
退けよ。ドン退きすればいいじゃん。
「えー!!!!!一浪!?」
信じられないという顔の楓。
ほらね、
やっぱり。
こういう顔の可愛い奴は性格がブスなんだよ。
「すごい!すごいよ!!結菜ちゃん!」
『は?』
「あたしなんか三浪だよ!?緑賛は三浪以上してるのが7割だもん!!」
何それ。
「本当すごーい!!でも、それならあたしが年上ねっ♪あっ!だからって敬語は使わなくていいよ♪」
『…………うん…』
あたし、気に入っちゃったよ。
……………楓か。
「ねえ♪校内ぐるぐるしよーよっ♪」
また楓があたしに声をかける。
顔が近い。
楓の目は青くて
きっとカラコンを入れてるんだと分かった。
またもや黙り込んだあたしに
楓は不安そうに声をかける。
「結菜?」
『……!!!!』
は!?呼び捨て!?
何この馴れ馴れしさ!!!
「あ、あたしも楓でいいから♪そんじゃ行こー♪」
……グイッ―――
楓はあたしの腕を掴み、引っ張った。
『ちょっ………ちょっと………!!!』
「やっぱり、まずはサークルっしょ♪♪」
楓は聞かずにどんどん走って行く
こうして
あたしの憧れだった
緑賛大学の入学式は終わった。
何だか出鼻くじかれたよ。
まあ
楓は可愛いし、
あたしの邪魔するような子には見えないからいっか。
。
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