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俺、小田桐ケンタ(17)は生まれつきで人のウソがわかってしまう。
言わば、ウソ発見器の能力を持って生まれた人間と言うことだ。
ではどうやって見分けるのか?
それはウソを言った人間がたちまち黒く染まって見えるのである。
もちろん俺は生まれてきてから今まで、いくつか試してみた。その結果としてわかったのは次のことだ。
1)例え事実と違っていても、本人が本当だと思っていれば、ウソと識別されない。
2)Aが嘘を言ったとする。周りでBがその話を聞いていた。Bはウソだとわかっていても黒く染まることはない。おそらく、Bはウソを言っていないからであろう。
3)あいまいな返事では判断されない。
「たぶん」
「おそらく」
と言った表現ではウソを言ってることと認められない。
4)会話中のどの部分がウソであったかは具体的には表されない。自分で判断しなくてはいけない。
5)識別されるのは俺の聞いた会話のみである。
俺にわかってるのはだいたいその程度だった。
「人はウソつきばかり…誰も信じられない。」
俺はそう思っている。
誰もがウソを言った記憶はあるだろう…
俺はそれがわかってしまうのだから…ウソであろうと疑うわけでなく、ウソだとわかってしまうのだから…
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