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「そろそろ収録の時間なのでスタンバイお願いします」
和気あいあいとした楽屋に番組のスタッフが時間を告げに来る
この仕事をしているとホントに時間の流れが早く感じる
「あっ、もうこんな時間ですか。じゃあNAOTOさん今度こそこれで…」
大分ここに居座ってしまった…
「後で覚えてろよTOSHI」
結局NAOTOさんの裸騒動はメンバーの中で伝説となった
ここにずっといるわけにもいたないので、他のメンバーの人達にも挨拶を済ませ、オレはマネージャー室に向かう
さすがTV局といったところか、廊下を歩いていると他のアーティストの方や芸能人の方とすれ違うことが多い
普段EXILE以外の人とは関わりは持たないが、TVなどで共演する人には挨拶をするようにしている
意外に芸能界はドライな関係だ
エレベーターを待っていると、少し小さい感じのする手がオレの肩を押すように叩いた
「TOSHI君、おはよう」
特徴的な声に、オレは振り返らずともその手の人物が誰か分かった
「あっ、YOUさんじゃないですか。おはようございます」
可愛らしい小柄な体に…今は化粧をしてないのか、少しやる気の無い目
普段のトークなどではうるさい印象を持たれがちだが、オレから見てYOUさんは普通に可愛い女性だ
「今日もNAOTO君の付き添い?」
YOUさんとNAOTOさんは以前番組で共演していて、一応そのマネージャーということでオレの顔も覚えてもらっている
「そうですね、今日は朝からの収録なんで起きるの大変でしたよ」
私もー、と少し朝の辛さをお互い分かち合う
いくらYOUさんといえど朝は得意じゃないみたいだ
たまに会話の途中にNAOTOさんの名前が出てくる
「私さ、この前NAOTO君と共演した後思ったんだけどね?TOSHI君はホント幸せものだなって思うの」
ん?オレの話?
「…と、言いますと?」
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