1.日常

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「そろそろ収録の時間なのでスタンバイお願いします」 和気あいあいとした楽屋に番組のスタッフが時間を告げに来る この仕事をしているとホントに時間の流れが早く感じる 「あっ、もうこんな時間ですか。じゃあNAOTOさん今度こそこれで…」 大分ここに居座ってしまった… 「後で覚えてろよTOSHI」 結局NAOTOさんの裸騒動はメンバーの中で伝説となった ここにずっといるわけにもいたないので、他のメンバーの人達にも挨拶を済ませ、オレはマネージャー室に向かう さすがTV局といったところか、廊下を歩いていると他のアーティストの方や芸能人の方とすれ違うことが多い 普段EXILE以外の人とは関わりは持たないが、TVなどで共演する人には挨拶をするようにしている 意外に芸能界はドライな関係だ エレベーターを待っていると、少し小さい感じのする手がオレの肩を押すように叩いた 「TOSHI君、おはよう」 特徴的な声に、オレは振り返らずともその手の人物が誰か分かった 「あっ、YOUさんじゃないですか。おはようございます」 可愛らしい小柄な体に…今は化粧をしてないのか、少しやる気の無い目 普段のトークなどではうるさい印象を持たれがちだが、オレから見てYOUさんは普通に可愛い女性だ 「今日もNAOTO君の付き添い?」 YOUさんとNAOTOさんは以前番組で共演していて、一応そのマネージャーということでオレの顔も覚えてもらっている 「そうですね、今日は朝からの収録なんで起きるの大変でしたよ」 私もー、と少し朝の辛さをお互い分かち合う いくらYOUさんといえど朝は得意じゃないみたいだ たまに会話の途中にNAOTOさんの名前が出てくる 「私さ、この前NAOTO君と共演した後思ったんだけどね?TOSHI君はホント幸せものだなって思うの」 ん?オレの話? 「…と、言いますと?」
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